本が好き、絵本が好き、雑誌が好き。わたしの読書ライブラリーです。

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伊坂幸太郎さんの本を読む

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3652
タキオン作戦
Re-born はじまりの一歩
プリンセス・トヨトミ
クリスマスを探偵と
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  ■ 3652 ■ <単行本> 2010年12月26日(日)







伊坂 幸太郎さんのエッセイ集です。
えっ?伊坂さんがエッセイなんて書くの?
と、びっくりして、すぐに読みたいと思いました。

購入してすぐに、巻末の「あとがき」から読み始めました。

「エッセイが得意ではありません」から始まっている伊坂さんのあとがき。
伊坂さんは2000年にデビューをして、今年は10周年にあたるそうで、
そのタイミングで(彼の言葉でいうところの口実で)出した本のようです。
と言っても、新たにエッセイを書き綴ったわけではなく、
今までに雑誌等に載せてきたものをまとめている本です。
10周年記念ということで、発売日はデビュー作が発売された日と同じ日
(12月20日)なんだそうです。

今までのエッセイをまとめたモノとは言え、
あたしにとっては読んだことのないものばかりだったので新鮮でした。
毎年、「干支」にまつわるエッセイを書いていて、それに苦労している話とか
作品を作る舞台裏の話とか、興味深いものばかりでした。

あたしは「エッセイ」というものの定義がよく理解できていないので、
伊坂さんが「エッセイは苦手」という意識がわかりませんが、
伊坂さんのファンとしては、伊坂さんの考えとか影響を受けたものとか
普段の姿を、伊坂さんの文章で知ることができて、面白かったです。

この本で、伊坂さんが書いています。(p53)

僕は、解説を先に読んでから、その文庫本を買うかどうか判断することが
多いんですよね。妻は逆に、解説を絶対に先に読まない派です。

うんうん。あたしも伊坂さん派!うちの娘は伊坂さんの奥さん派!
こんなお話も、楽しませてもらいました。
ちなみに、この「3652」も、あたしは最初にあとがきから読みましたよね。
うふふ。


     kiraraの満足度 ★★★★☆

  ■ タキオン作戦 ■ <雑誌>  2010年12月25日(土)







実業之日本社の読み切り小説誌「紡」第1号におさめられている短編です。

先日読んだ「Re-born はじまりの一歩」に収められていた
伊坂さんの「残り全部バケーション」に登場する、やばい仕事をする溝口と
その下で働いている岡田、このふたりが出てくる「タキオン作戦」です。

ヤバイ仕事をしてるんだけど、実は人間味のある面白い奴。
伊坂さんらしい設定です。

幼児虐待・・・現代の社会問題になっている解決が難しい問題です。
それを、タイムマシーンという突拍子もないことで解決に向かわそうとする
岡田たちです。ユニークな発想だけど、結構、的を射ていると思いました。
そんなバカな、と笑ってしまうことあり、ほろりとさせるシーンあり、
なかなかステキなお話でした。

     kiraraの満足度 ★★★★☆

  ■ Re-born はじまりの一歩  ■ <文庫本> 2010年12月19日(日)
宮下奈都
  「よろこびの歌」
福田栄一
  「あの日の二十メートル」
瀬尾まいこ
  「ゴーストライター」
中島京子
  「コワリョーフの鼻」
平山瑞穂
  「会ったことがない女」
豊島ミホ
  「瞬間、金色」
伊坂幸太郎
  「残り全部バケーション」

7人の作家さんの短編がおさめられています。
テーマは「はじまりの一歩」・・・・新しい出会いと出発。

伊坂 幸太郎さんと瀬尾 まいこさんの作品を愉しみに購入しました。
おふたりの作品はもちろんですが、他の作家さんのお話もステキでした。
宮下さんや福田さんのお話は、ストーリー的には、
特にめずらしいというわけでもないけれど、
読後感がさわやかで、ほっとできるお話でした。

この人と出会わなかったら・・・再スタートはなかった、
というお話を、7人の作家さんが書いています。
人生において、人との出会いって大切だなぁと思いました。

伊坂さんの「残り全部バケーション」
家族解散の日のお話です。まさに再スタートです。
その家族と、どういうわけか、ヤバイ仕事をしている溝口と、
それを辞めたいと思っている溝口の下で働くく岡田との出会いがあります。

伊坂さんらしい、ユニークな会話が楽しくて。
溝口&岡田コンビも面白かったです。


      kiraraの満足度 ★★★★☆

  ■ プリンセス・トヨトミ  ■ <単行本>   2010年12月12日(日)
万城目 学さんの大阪を舞台にしたお話です。
「おもしろいよ。今度映画化されるらしい」
と、知人に薦められて読んだ本です。

大阪が舞台になったお話だけに、大阪の地名が多く出てきます。
中心となるのは、空堀(からほり)で、大阪城周辺がよく描かれています。
その辺りは、何度か歩いたことがあるだけに、想像しやすく、
読んでいても、うきうきしてきました。
これが、映画化されるとなると、あの商店街でロケが行われるんでしょうね。
楽しみです。

お話は、歴史好きの方は、きっと、
あたし以上にわくわくしながら読めるだろうなと思いました。
歴史に疎いあたしは、途中で、歴史好きの娘に質問をしながら読みました。

と言っても、これは現代のお話です。
プリンセス・トヨトミ=豊臣秀吉の妻 のお話ではありません。
大阪城を築いた豊臣秀吉の末裔を守るために存在する「大阪国」、
そして、その大阪国では、「OJO(王女)」=プリンセス
を守らなければならないという、そういうお話です。

中学生の大輔は性同一性障害で、ある日、突然、セーラー服で登校します。
そこから、いじめにあうことになり、それ庇う幼馴染の茶子がいます。
一方で、「大阪国」は、国から不正に補助金を受けている疑惑で、
会計検査院の調査をうけることになります。
それらがからみあって、大阪国の男たちがついに立ち上がる!
なんとも頼もしいお話でした。

   kiraraの満足度 ★★★★★

 ■ クリスマスを探偵と  ■ <雑誌> 2010年12月05 日(日 )
文藝別冊「伊坂 幸太郎」の中におさめられています。
伊坂さんが18歳の時に書いたものを完全リメイクしたらしいです。

これが、このクリスマス間近のこの時季に読んだから、
余計にそう感じたんだろうけど
「いいわー、このお話!」って思いました。
ホント、それしか言いようがないくらいです。

「サンタクロースは本当にいるのか」という子どものころからの疑い。
調査が専門の探偵が、リアルの世界で体験するんです。
「サンタクロースは実在する」という感覚を!
そんなファンタジーあふれるお話が、
貧乏な家、父親の浮気、家計簿をつける母親、家出をする少年、
などなど、まったくファンタジーとは無縁の中で語られるのがいいです。

 kiraraの満足度 ★★★★★

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その他、このムック本は、伊坂さんのファンなら、
絶対に楽しめる内容ばかりが盛り込まれています。
「伊坂 幸太郎を紐解く10のキーワード」
「伊坂 幸太郎式小説の書き方、作り方」なと、興味のある内容です。
伊坂さんが選んだ本100冊など、読んでみたくなりました。
このムック本も、オススメです。

  kiraraの満足度 ★★★★★

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Illustration by もずねこ  Base template by WEB MAGIC.