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伊坂幸太郎さんの本を読む
伊坂ワールドの住人

2月5日 生協の白石さん
2011年2月

  ◆ 2011年2月05日(土) ◆        【生協の白石さん】   白石 昌則   講談社 (単行本)

生協の白石さん
生協の白石さん

巻末を見ると、この本の発行日は2005年11月2日とあった。
そっかー、あれからもう5年以上もたってたんだねー。
話題にもなって、是非読んでみたいって思ったのは、ついこの前のことだと思っていたのに。
ようやく、読む機会に恵まれた。

話題になった本なので、この本が、小説でもエッセイでも、もちろん図鑑でもないことは
どなたでもご存知のことでしょう。
東京農工大学内にある、生協に勤務する白石さん。
その生協には「ひとことカード」というのがあって、生協への要望等を自由にかけるアンケート用紙だ。
その要望に対して回答を手書きして、掲示板に張り出すらしい。
その回答を書く担当が白石さんだ。その回答が、ユーモアのあるセンスある回答ということで話題になった。
そして、それがブログになり、その後、書籍化されたというものだ。

あたしは、残念ながらブログは見たことがない。
きっと、楽しい内容だったことだろう。

あたしは、スーパーなどでよく見かける、お客さまの声という掲示板が好きだ。
この本の「ひとことカード」と同じ趣旨のものだ。
だけど、たいていのスーパーでの回答は、四角四面のありきたりのもので、クスっと笑えるものはない。
むしろ、その要望や質問の方に、賛同したり、微笑んでみたり。そんな楽しみがある。

生協の白石さんのもとへやってくる「ひとことカード」には、店舗には無関係のものもある。
でも、それにも丁寧に回答している白石さんのお人柄が素敵だ。
それでいて、その無関係である質問にも関わらず、さりげなく商品アピールをするあたりは、
さすが!とうなってしまう。言葉にセンスがある人はステキだ。

<質問> どうすれば、人間は空中でジャンプできるのですか?白石さん。二段ジャンプのことです。

それって・・・生協には関係ないやん。工学部の人からの質問なんだろうか。
あたしなら、ご自分で研究してくださいと言いたい。だけど、白石さんは違う。ちゃんと営業活動もしてる。

<回答>
工学部の学生さんが解らない物理的な問題を、私などが解明する術など知る由もありません。
当方としてできることがあるとすれば、毎週「少年ジャンプ」を読む子が思春期を経て「ヤングジャンプ」も
読み始める一現象を、人間の成長過程になぞらえ「二段ジャンプ」であると勝手にながら解釈し、
二冊とも毎週品揃えする事のみです。組合員証提示で10%offです。


うまい!うなっちゃいました。
そして、さらになんてステキな男性なんだろうと感じたのが「最後に」のページ。

妻。その生き様が、エンターテイメント。生きた教材です。貴方が妻で幸せです

そう、白石さんは書いている。きっと、家庭も癒しの場なんだろうなー。


    kiraraの満足度 ★★★★☆

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