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◆ 2011年10月30日(日) ◆ 【でーれーガールズ】 原田 マハ 祥伝社 |
でーれーガールズ
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作者の原田 マハさんは、1962年生まれ。
お父さんの仕事の関係で、小学6年生の時に岡山へ引っ越しをして、高校3年生まで、岡山で過ごしたらしい。
その原田さんが、ご自身が通った高校をモデルにして書かれた小説だ。
主人公の小日向アユコ(本名・佐々岡 鮎子)は、現在、人気漫画家である。
そのアユコのもとへ、母校の女子高校から講演の依頼が届き、アユコは30年ぶりに岡山を訪れる。
小説は、現在と、高校時代の回想とが織り交ぜられて進んでいく。
青春っていいな、友達っていいな、方言っていいな、そう思わせてくれる。
ちょっぴり切ないけど、明るい高校時代を懐かしく思い出せてくれる小説だった。
タイトルにある「でーれー」というのは、岡山の方言で「ものすごい」という意味がある。
大阪風に言うと、「めっちゃ」と似ているかもしれない。
ただ、大阪での「めっちゃ」の使い方は、、「めっちゃかわいい」とか「めっちゃおいしい」とは言うけど
「めっちゃやなあ」という使い方はしないと思う。
それに対して、岡山の「でーれー」は、「でーれーかわいい」や「でーれーおいしい」とも言うけれど
単に「でーれーなあ」でも、通じるのである。
東京から引っ越してきたアユコは、この「でーれー」という言葉が、強く印象に残ったようで、
岡山弁に馴染むために、「でーれー」を頻発する。
だけど、やっぱりどこか使い方がヘン。
同級生からは、からかいの対象となってしまい、ついたあだ名が「でーれー佐々岡」である。
そんな、「でーれー」を会話の中でポンポン使う、女子高校生、あるいは、元女子高校生の話である。
小説の中に登場する、地名やお店の名前は、実際のものと同じである。
変えてあるのは、学校の名前くらいじゃないかと思うくらい、
しかも、それすら、安易に想像できるほど、岡山っ子にとっては、馴染みの名前がたくさん登場する。
その上、懐かしい話は、すべて、わたしが過ごした高校生時代とダブる。
あたしにとっては、それはもう、うれしい1冊だ。
懐かしい岡山を、あたしも何十年ぶりかで、訪れたいと思った。
そして、できれば多くの方にも、読んでいただいて、
あたしの過ごした場所、過ごした時代を、知ってもらいたいなあと願う1冊でもある。
kiraraの満足度 ★★★★★
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◆ 2011年10月20日(木) ◆ 【謎解きはディナーのあとで】 東川 篤哉 小学館 |
謎解きはディナーのあとで
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2011年「本屋大賞」で、1位になった「謎解きはディナーのあとで」だ。
気になってはいたんだけど、読む機会を逃していて、ようやくの読書。
先週の土曜日・・・10月15日に読み終えたので
10月18日から始まったドラマの直前で、ギリギリセーフかな。
この小説は、小学館の雑誌「きらら」に連載されていたらしい。
そのせいか、6話が収録されているけど、そのたびに、登場人物の簡単な説明が入る。
おかげで、お嬢さまの宝生麗子、風祭モータースの御曹司でもある風祭警部、
麗子の執事でありながら、難事件をあっさり解決してしまう影山、
このキャラクターが、あたしの中ですっかり定着した。
まるで、水戸黄門のように、お決まりのパターンではある。
格好つける風祭警部に閉口するが、それでいて、事件を解決できない麗子。
そこへ、「お嬢さまはアホでいらっしゃいますか」などと暴言をはく影山。
そして、影山が事件の謎解きをする、というパターンだ。
そのパターンがわかっていても、いや、わかっているからこそ安心して読めたのかも。
まさに、水戸黄門パターンだ。
本格的ミステリとは言い難いと思う。難事件というほどの重さはない。
それを期待する人にとっては、肩透かしをくった形になるかもしれない。
ソファで横になりながら、テレビを見て、あははと笑っていられるような、
気軽に楽しめる娯楽小説だと思う。
ちなみにドラマの方だけど。
ストーリーは、原作に忠実。
ただ、見せ方が、漫画チックにしてあるので、好みがわかれると思う。
わたしは、もうひとつな感があった。
kiraraの満足度 ★★★☆☆
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