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伊坂幸太郎さんの本を読む
伊坂ワールドの住人


2011年11月 11月19日 モダンタイムス


  ◆ 2011年11月19日(土) ◆        【モダンタイムス(上)(下)】   伊坂 幸太郎   講談社文庫

モダンタイムス(上)
モダンタイムス(上)


モダンタイムス(下)
モダンタイムス(下)

伊坂 幸太郎さんの「モダンタイムス」が文庫本になった。
単行本を読んだのは、2009年11月だった。
その時の感想は、「伊坂 幸太郎さんの本を読む」に書いている。
あらすじ、感想、好きなことば、作品間リンクを載せているので、
文庫本を読んだ今回は、そのあたりはざっくりと省略するとして。

単行本は、現在、我が家の本棚に、並んでいる。
読もうと思えば、いつでも読める状態だ。だから、あえて文庫本を買うこともないと思っていた。
それが!どうして文庫本を、購入してまで読む気になったかというと、
それは、伊坂さんのインタービューを読んだからだった。

文庫本のあとがきにも書いてある。
  単行本の時より面白味が増していることは確信しています。
  終盤で明らかになる「ある事件の真相」を全面的に変更しています。
  「モダンタイムス」にとって重要なのは、「事件の真相」ではありません。
  乱暴な言い方をすれば、事件の真相については「何でも良い」のです。
  そういった点からすれば、今回の文庫化における「事件の真相についての変更」は、
  作品全体には大きな影響を与えないと考えています。
  あらすじも、雰囲気も大きな変化はありません。

というようなメッセージを読んだからには、何が? どこが? どう? 変更になったのか
めっちゃ知りたい、読みたい、確認したい、って気持ちになるでしょ。

そして、読み終わってみて。
すっごく満足。なるほど、そう来たか!
最後があいまいな終わり方をするのは、伊坂さんにはよくあることだと思うけど、
世の中には、賛否両論があるようで、好みが分かれると思う。
確かに、すべてがすっきりしているわけではないなぁ、と思うには思うけど、
そういうお話なんだろうな、ということで、あたしは納得ができる。

それより、すごいと思うのが、完璧なまでの伏線の回収!
単行本よりすごい。
こうなると、この小説に出てくる人物の行動やセリフに、無駄や不必要なものは一切ない。
すべてが、大切なことばかりだ。
そして、それらが、「ああ、こういうことだったのか」 「これにつながるのか」 と、
すべてが回収されていく快感、それはもう、すっきりだわ。

この文庫本の感想、一言で言うとこうなる。(主人公・渡辺の元に届く、占いメール調)
『単行本を読んだ人は、文庫本も読んだ方がいいですよ、絶対』




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